仏教では
日本の葬儀の大部分は仏式で行われています。1635年頃、日本人全員を近くの寺に帰属させる寺請制度が始まり、1700年ごろには、位牌、仏壇、戒名といった制度が導入され、葬式に僧侶がつくようになった(それまでは「葬式組」と呼ばれる村落共同体のグループが葬式を仕切り、棺や装具をつくったり炊き出しをしたりしていた)。浄土真宗、日蓮宗を除き日本の伝統仏教においては、葬儀は死者に対する授戒成仏が主たる意味を持ち、死者を仏弟子となるべく発心した者として扱い、戒を授け成仏させるための儀式とう形態をとります。
浄土真宗では教義上、無戒のため授戒はなく、阿弥陀如来に帰依し宗祖親鸞の教えを守ることを誓願する帰敬の式となるため、迷信を忌む宗風から、日や方角の吉凶を選ぶ、守り刀、逆さ屏風、左前の死装束、北枕、六文銭の副葬、振り塩(後述)などの習俗は、基本的には行いません。
日蓮宗では法華経を受持すること自体がすでに戒を保つこととしているので、死後あらためて受戒を行う必要がないとされますが、地域によっては通夜の際に受戒作法を行う場合もあるようです。
仏教では、故人は葬祭儀式を司る僧侶によって引導を渡される(俗世間から浄土へと引き導かれること)ことになっており、俗名のままでは浄土に行けないことから、僧侶によって戒を受け戒名を授かって浄土に送り出されるとされています。戒名とは本来、仏教に帰依し出家して仏門に入り、仏教の多くの戒を受けて仏の弟子になったことを認められて生前に授けられるもので、現在でも生前に戒を受けて戒名を授かるという場合(生前戒名)も少なくありませんが、多くは亡くなってから戒名が授けられるのが一般的です。戒名は戒を受けて授かる名ということから、浄土真宗は戒を受けないという教義により戒名と言わず「法名」といい、日蓮宗は法華信者は霊山浄土に生まれるという教義により戒名と言わず「法号」と言います。また院号・(日蓮宗に限りこの間に誉号も付ける)・道号・(浄土真宗に限り釈号を付ける)・[戒名(浄土真宗は法名、日蓮宗は法号)]・位号の順に並べて全体を総称して戒名といい、出家者や宗派によっては長いものもありますが、基本は「仏の世界は何者も全て平等である」という教えから、[戒名]は俗名(生前の名前)や経典にちなんだ二文字で表すことになっています。(日蓮宗に限り、日号と法号を併せて二文字で表す)
院号は宮殿や院に住んでいたことを意味する尊称であり、道号は位の高い僧侶を現す名前であることから、一般には用いられません。尚、位号は仏教徒の階級を現しています。
また戒名や法名を記して仏壇などに安置し、故人の霊を祭祀する目的で用いられる木製の霊牌のことを位牌と言います。元々は中国の儒教信仰で先祖供養や死者の霊を祀るために、故人の官位や姓名を記して用いられていた位版・霊位・神主(しんしゅ)などと言われる木札が禅宗とともに伝来したものが起源とされ、江戸時代の頃には仏教界の各宗派において一般的に用いられるようになったと言われています。亡くなった時に作られますが(、本人の生存中から作って安置供養することがありその場合は、位牌を逆修牌(又は寿牌)といって朱色で文字を入れます。浄土真宗では限り教えの違いにより位牌は原則として使わず、位牌代わりに法名を記した法名軸や過去帳が使われます。
遺骨の埋葬時や回忌法要時の供養・追善のために墓石の後に立てる細長い(長さ1〜2m位)板があり「卒塔婆」といいます。梵字や経文と併せて戒名を記して用いられます。「そとうば」の語源は梵語(サンスクリット語)のストゥーパからきており、「卒塔婆」は音読みに漢字変換したものです。元々は、八分骨された釈尊の遺骨(仏舎利)を埋葬した上に建てられた塔のことを言ったものなのですが、日本に渡来して後にお墓の石塔である五輪塔の原形になりましたが、卒塔婆の上部はその五輪塔を模って作られたもので、五輪の形は、仏教の宇宙観を表した五大要素(空・風・火・水・地)を具現化したものです。先端から宝珠・半円・三角・円・方の順に形が刻み込まれています。
葬儀の流れは宗派や地方により多少異なりますが、大まかな流れは同じで死後すぐに枕経を行い湯灌(遺体を拭き清める)をした後、納棺し通夜を行います。翌日に葬儀と告別式を行い火葬・拾骨(又は土葬)しますが、現代においては、会葬者が頻繁に集えないことや会場が葬儀場で営まれることが頻繁におきるため、本来7日後に行なう初七日を引き続いて行なうことが多くなっています。。初七日は火葬を終えて自宅に帰る途中に所属寺院に立ち寄って行われるか、自宅に帰り、還骨のお経を兼ねて行われることが多いです。また、有名人などの葬儀で、密葬を行ったうえで本葬を行う場合には本葬終了後に初七日を行うケースもありこの場合は死後7日以上経過していても初七日として法要が行われます。
遺族は、死者の追善を7日ごとに49日間行うものとされていて、この期間を中有または中陰と呼びます。初七日はその最初の法要であり、現代ではこの7日ごとの法要を全て行うことはあまりなく、初七日と七七日の法要のみを行う場合がほとんどです。ただ、一部の地方によっては、初七日と七七日まで全て行えるように、参列者の都合を優先し、土曜日や日曜日に法要を行うこともあるようです。七七日法要は一般に壇払い、または壇引きと呼ばれるもので、死者の遺骨や位牌を安置していた中陰壇を取り払うことからこのように呼ばれています。壇払いを済ませると服喪期間が終了。遺族は元の生活に戻ります。
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